CAEエンジニアのキャリアにおいて大きな分岐点となります。それぞれの働き方の特徴、メリット、デメリットを理解することで、ご自身のキャリアプランに合った選択ができるようになります。
解析専任 (CAE専任エンジニア)
主にCAE解析の業務に特化し、特定のプロジェクトや部門から依頼された解析を専門に行う働き方です。
メリット
専門性の深化
特定の解析分野(例:非線形、流体、最適化など)に深く携わることができ、高度な専門知識やスキルを習得しやすいです。業界の最先端技術に触れる機会も多いです。
幅広いプロジェクト経験
様々な製品や部門の解析依頼を受けるため、多岐にわたるプロジェクトに関わることができます。これにより、自身のスキルセットを広げることが可能です。
解析環境の整備
解析の効率化や自動化(スクリプト作成など)、ハードウェアの最適化といった、解析環境自体の改善に集中できます。
キャリアパス
解析コンサルタントや、特定の分野におけるエキスパートとして技術を極めるキャリアパスが見込めます。
デメリット
設計プロセスとの距離
実際に製品を設計するプロセスから離れるため、設計者の意図や課題を直接肌で感じにくいことがあります。解析結果が設計にどう反映されたか、その後のフィードバックを得にくい場合もあります。
コミュケーションの重要性
依頼者の意図を正確に理解し、解析の前提条件や結果を適切にフィードバックするための高いコミュニケーション能力が求められます。
業務の単調化
依頼される解析内容が似通っている場合、業務が単調に感じられることがあります。
設計兼務 (設計者兼CAEエンジニア)
製品の設計業務と並行して、自身が設計した部品や構造物の解析も行う働き方です。中小企業や、開発スピードを重視する部署でよく見られます。
メリット
設計へのダイレクトな貢献
解析結果をその場で設計にフィードバックできるため、開発サイクルを大幅に短縮できます。設計者としての視点を活かした、現実的な解析が可能になります。
全体像の把握
製品全体の設計プロセスを最初から最後まで見届けることができます。これにより、解析が全体の中でどのような役割を果たすのか、その重要性を肌で感じることができます。
多様なスキル
設計スキル(CAD操作、材料選定、製図など)と解析スキルを同時に活かせるため、エンジニアとしての幅が広がります。
市場価値
設計と解析の両方のスキルを持つ人材は、特に中小企業やスタートアップで重宝されます。
デメリット
専門性の限界
解析専任と比べると、個々の解析にかけられる時間が限られるため、高度な非線形解析や複雑な流体解析など、専門性の高い領域を深く追求することは難しい場合があります。
多忙になりやすい
設計業務と解析業務を両立する必要があり、タスクが増えやすいです。解析の専門知識を学び続ける時間を確保することも難しくなる可能性があります。
コメント