次に、ROIを最大化するための 『組織づくり』 ついて解説します。
2. ROIを最大化するCAE組織づくり
導入プロセスが整っていても、組織が機能しなければROIは伸びません。 CAEを活かす企業は、組織づくりにも共通点があります。
① CAE専任チーム+設計部門のハイブリッド体制
CAEは専門性が高いため、やはり専任解析者は必要だと考えます。 しかし、専任者だけに任せると属人化し、設計部門との距離も生まれてしまいます。
成功企業は、
- 専任CAEチーム(高度解析)
- 設計部門(簡易解析・初期検証)
というハイブリッド体制を構築していることが多いです。 これにより、解析のボトルネックが解消され、QCDのすべてにおいて向上をもたらします。
② 教育ロードマップの整備
CAEは「一度教えれば終わり」ではありません。 継続的な教育とスキルアップがROIを大きく左右します。
- 新人向け:ツール操作
- 中堅向け:モデリング精度向上
- 上級者向け:最適化・マルチフィジックス
このようにレベル階層別の教育ロードマップを作ることで、組織全体の解析技術力が底上げされます。
③ 解析標準化とテンプレート化
属人化を防ぎ、解析品質を安定させるために必要なのが標準化です。例えば、
- メッシュ設定の基準
- 境界条件のルール
- レポートフォーマット
- 解析テンプレート
他にも多岐にわたりますが、標準化が進むほど、解析時間が短縮され、解析精度も向上し、ROIの向上が見込まれます。
④ 経営層への定期レポートで「成果を見える化」する
経営層からは、CAEは成果が見えにくい、とよく言われます、だからこそ、定期的に経営層へ成果を報告することがとても重要です。例えば、
- 試作削減額
- 開発期間短縮効果
- 外注費削減
- 設計品質向上の事例
- トラブルやミスの削減効果
他にも多くの項目がありますが、いずれにせよこれらを数値化して報告することで、CAE部門への投資が継続され、組織としての成長が加速することは間違いありません。
まとめ:CAEは「導入」ではなく「運用」でROIが決まる
CAEのROIは、ツールの性能ではなく 導入プロセスと組織づくり によって決まるのです。
これらを実践する企業は、CAE投資を1〜2年で回収し、継続的にROIを伸ばしています。

コメント